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Go. Run ペースと気温の関係

更新日:2021年8月6日

暑いとランのペースが上がらないなあ。


ペースが上がらないどころかキープもできなかったり、走っている最中に突然ふらふら、くらくら、チカチカしたりしびれたり、お腹が引きつったり脱水症状になったりまともに走れなくなったり。


夏場はパフォーマンスが落ちるのは致し方ないとしても、どのくらいそれが落ちても暑さが原因としての許容範囲なのかな…と、ちょっと調べてみました。



そもそも夏にランニングをするとなぜペースが落ちるのでしょうか。


「暑い日に走ればいつもより体温が上がりやすくなります。

そこで体は大量に汗をかいて体温を下げようとします。

大量の汗を放出するためにはいつも以上に水分が必要になります。

水分は血液が運んでくるわけですが、水分を確保するためいつも以上に血液を流す必要があり、血液を送り出すポンプ=心臓を早く動かすことになります。


心臓は体を冷却させるという役割が強くなり、本来の役割である筋肉への酸素供給が少なくなるため、より酸素を体に取り込もうと心拍数が上がります。

心拍数が上がるといつもより負荷がかかった状態になり苦しくなります。


というわけで、暑い夏のランニングはさほどペースを気にしなくても心臓や肺にかなりの負荷がかかっていることになります。

夏はペースを落として走っても走るだけでトレーニングなっています。

暑い夏を走りきれば、秋冬にはレベルアップした体でレースに臨めるはずです。」


…なんという力強いお言葉!!



下記は気温から目標ペースを補正して「マラソンタイム」を予想した場合です。


気温をT度としたとき、

男性 Speed loss = 0.043795*T^2 -0.53859*T + 1.364081

女性 Speed loss = 0.030776*T^2 -0.41088*T + 1.222651


例えば上記の計算式にあてはめると

・男性 ・気温 20度 ・目標ペース 300秒/km (5'00/km) の場合、


Speed lossは、8.11% 補正目標ペースは、324秒/km (5'24/km)


冬場であれば目標ペース5'00/km(フルマラソン完走タイムは3時間30分58秒)で走れるところが気温が20度くらいなら5'24/kmくらいのペース(フルマラソン完走タイムは3時間47分51秒)に補正した方が無難だということになります。


冬場で5'00/kmで走れるところが夏場の気温で30度だと6'48/km(フルマラソン完走タイムは4時間46分55秒)!?…というか、この気温で長距離を一生懸命に走ってはいけないかもしれませんけどね。



また、このような試算もできます。

「冬場の持ちタイム×1.09=夏場のタイム」


先程の5'00/kmの場合は5'00/km×1.09=5'27/km…ふむふむ、なるほど。


その根拠は気温5度と30度では酸素密度に9%の差があるからです。

同じ量の空気を吸い込んだ時に冬と夏では取り込める酸素量が変わってきます。


圧力が変わらないと仮定すると気体の体積は絶対温度に比例します。

同一体積中の気体の質量は絶対温度に反比例することになります。

5(℃)=278(K) 30(℃)=303(K) ですので、303÷278≒1.09です。

つまり同じ体積では冬の空気は夏の空気より9%ほど質量が多くなります。

酸素の濃度が一定ならその空気中に含まれる酸素の質量も同じ比率になります(単純計算による)。


上記のペースの目安を参考にしつつ夏場のペースを再設定してみるのもよいかもしれませんね。

またペースだけでなく心拍数から割り出すこともできそうです。

例えば暑い時に秋・冬と同じ心拍数で走り、そこから夏場の適切なペースを算出するというものです。


改めて。

「夏はペースを落として走っても走るだけでトレーニングなっています。

暑い夏を走りきれば、秋冬にはレベルアップした体でレースに臨めるはずです。」


無理は禁物ですが夏にランのパフォーマンスが落ちても優雅に乗り切るぞ。



参考・引用元





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